「私の大切な人?かっこよくて優しくて賢くて強くて、ヒーローみたいな人だよ。なんでも教えてくれるし、ピンチにはすぐに助けに来てくれるの」

かっこよくて優しくて賢くて強い?しかもそれに加えてピンチにはすぐ助けに来てくれる?今時、そんな超人ヒーローみたいな奴がこの世にいるはずがないだろう。いるとしたら童話の中の王子くらいだし、もし実際に居たとしてもメディアが取り上げているはずだ。今のメディアは何にでも食いつくからな。…メディアと言えばディートハルトが最近俺にまとわりつくようになってきたな…。あいつは狂信的な信者だがそういう奴ほど目を離せない。しかも無駄に頭がまわるからやっかいだ。いざという時はギアスをかけて、違うそうじゃない今俺はそういう話をしたいんじゃない!の言った言葉を解明しなければいけないはずだろう。ディートハルトなんてどうでもいい。それよりもだ。彼女の大切な人という奴が気になって気になってしょうがない。の顔の好みは分からないから置いておくとして、優しい上に頭も良くて強い奴か……ん…?まさか…スザク…いやそれは無いだろう。前にはスザクの事を友達にしか思えないと言っていたはずだ。だが、スザクは条件にピッタリ当てはまるんじゃないか…?昔とは違ってまず人を優先する優しさを持っているし、あいつは勉強をする時間がないだけで馬鹿だというわけではない、そして何より軍に所属しているから腕っ節は俺より何倍も強いといえる。意外にもスザクは物知りだから教えることも、…そういえば以前木から落ちそうになった所をスザクに助けてもらったとが言っていたな…ピンチにはすぐに助けに……おい、ビンゴじゃないか…どういうことだ。人の気持ちなんてすぐに変わってしまうし、友達にしか思えなかったものが好きに変わっていくことも有りえないわけじゃない。十分にありえる。ありえる。が。俺の気持ちがそんなのありえない…!どこかの見知らぬ男なら張り合って奪うことも可能だが、相手がスザクならその確立は少なくなってしまう…!なによりスザクもの事が好きだとしたら俺は入る隙が無い!俺だってスザクは大事な親友だと思っているしは大事な想い人だ。だが……くそ!どうすれば!

「ルルーシュ?どうかしたの?」
「!スザク!……丁度いい、聞きたいことがあったんだ」
「なんだい?」
「お前…の事、好きか?」
「え?急に何なの?」
「いいから答えろ!」

俺は勢いよくスザクの肩を掴んだ。

「?……嫌いじゃ…ないけど?」

…終わった。完全に終わった。消えろ俺の恋。スザクから手を離して俺は、はあと溜息を吐く。(早くこんな国潰してしまおうか…)そんな事を想っていると、きょとんとした顔で見ていたスザクが急に笑い出した。なんだ。なんなんだ。俺の失恋がそんなに楽しいかスザク。

「あははは!分かった、分かったよ!そういうことだね、
「……なにがだ」
「意地張らないでさ、に聞いてみればいいんだよ。それって誰の事?って」
「どうしてお前が知って、」
「ほらほら早く!聞いてきなよ!」

背中を押すスザクに今だ疑問を感じながらも、俺はを探して学園内を走り回ることにした。俺の頭の中で彼女のいる場所を何パターンも考えていたが、やっぱり確率の高い所から潰すべきだと俺は中庭に向かった。中庭で辺りを見渡すと見慣れた後姿が目に入って俺は大きく息を吐く。きっとこれは彼女なりの問題で、試練だったのかもしれない。俺は猫とじゃれ遊ぶ彼女の名前を呼んで声をかけた。

!」


愛すべきイカサマ師
(彼女は俺を見て悪戯な笑みを浮かべた)

「遅いよルルーシュ!」

(//080402 title by 酸性キャンディー)